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佐倉爆心追う、の気ままな気持ち

プロとアマの違いは時間

今年も会社に新入社員が入って1週間が経ちました。新人君達は研修に雑用に忙しい毎日だと思います。私の所属する会社にも、今年から2名の新人が入ってきました。今年は教育担当という事もあり、新人と接する機会が多くあります。そんな中で、いつも話をするのが『プロである』という事と『時間は絶対』という事です。

昨年も同じような事を書いたかもしれませんが、新人が肝に銘じておかなくてはいけない事は、『就職をした以上、その道のプロである事を自覚して欲しい』ということです。学生気分が抜け切らないうちは、『誰かがやるだろう』、『私の意見をまず先に聞いて欲しい』、『自分の手は汚したくない』、『スマートな仕事がしたい』なんて甘い妄想を抱くものです。みんな、厳しい受験戦争を戦い抜いてきた人達ですから、それなりの自信を持っていると思いますが、そんなのは社会に出ても役に立ちません。もっと酷い言い方をすれば、東大の大学院を修了した人でも、中学を卒業したばかりの人でも、社会人1年目にやらなくてはいけない事は同じなのです。これは、一流企業だからとか零細企業だからという違いもありません。社会に出るという事は、スタートラインは同じなのです。あとは、そこからどれだけ頑張れるかという事だけなのです。頑張る上で、学生時代に苦労した経験や培った人脈は、大きな意味を持ってきますので、その後に差が出てしまうことは否めませんが、ここで大事なのは、いくら最高学府を出ようとも、頑張ることをせずにニートなどになっているようでは、意味が無いという事なのです。

新人の時にやらなくてはならない事の第一歩として、挨拶や掃除、お茶くみなどの雑用の他に、時間の大切さという事をよく知っておかなければなりません。この時間という考え方は、学生時代にも色々と経験していると思うのですが、社会人の時間に対するシビアな考え方は、学生時代に比類の無いものです。
私のいるソフトウエア業界では、新人として入ってきた人の中には、学生時代にプログラミングの経験があり、即戦力となれるような猛者が時々います。そんな人が陥りやすい罠が、「良かれと思って付加した機能により、作業遅延が発生して納期に間に合わない」というものです。これは、非常に単純な事なのですが、プログラムの経験があるとどのような機能が必要になるか、こんな機能があったら便利だなんていう思いつきは、かなりの数が出てきます。それらの一部は顧客と相談のうえでシステムへ組み込んだりするのですが、中には技術者の自己満足だけでシステム的に大きな意味を持たず、顧客からすると「あれば有り難いけど、費用対効果が見合わない」という理由で削る事もあるのです。そんな中に投入された新人君は、最初は渡された仕様書に従って作業を進めるのですが、余力があるものですから、そういった余計な機能まで実装させて、誉めてもらおうとするのです。すると、元々その機能は予定に入っていませんから、作業が1日遅れ、2日遅れとだんだん遅れていき、最後には「出来ませんでした」なんて事になるのです。
仕事には必ず期日があります。この期日は絶対で、中々動くことはありません。なぜならその期日こそ、次のステップへの開始位置であり全体の流れの中では、そこのズレが後々まで響いてしまうからです。たとえば先ほどのシステムが、天体観測用のシステムで45年に1度の現象を捕らえて分析する為のモノだったとします。相手は自然ですから待ってはくれませんので、期日までの稼動は絶対になしえなくてはならない至上命題となります。そこでもし上記のような新人君がいて、稼動が1日遅れてしまったらどうなるでしょうか?そう、顧客は絶対に必要なときにシステムを動かすことが出来ず、出来上がったモノはが次に使えるのは45年後…これではお金が貰えないでね。そのシステム作りに3000万円掛かったとしても、顧客はそのお金を出してはくれないでしょう。お客様には、「そのシステムは、45年後に使用する人に売ればいい。もちろん私は買わないけどね!」なんて言われるのがオチです。

このように、期日とうものは社会の中で絶対であり、そこを超えてしまった物には一片の価値すら与えてもらえない事は多々あります。学生時代の期日なんて、レポートをいつまでに提出するとか、宿題をいつまでに仕上げるとかその程度だったと思います。これって、ペナルティ自体は、自分の評価が下がるとか、居残り勉強させられるとかいうレベルなのです。これが社会人になると、周りの人々に対して多大な迷惑を掛けるだけでなく、多額の負債を背負い込むなどその影響の大きさは計り知れません。

自分の思いつく最高レベルのモノを提供するだけではアマチュアです。
プロとは、限られた時間の中で顧客の要求を最大限に叶える事です。

ぜひこの機会に、時間の考え方についてもう一度見直したいものです。
by naka50ne | 2006-04-11 15:07 | ビジネス

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