佐倉爆心追う、の気ままな気持ち

プロジェクトXを見て

プロジェクトX「地下鉄サリン 救急医療チーム 最後の決断」

昨日見たプロジェクトXは、久々に感動しました。これは、今から10年前の3月20日、日本中が同年1月に発生した阪神大震災の復旧作業を見守る中、東京の霞ヶ関を中心とした地下鉄で起きた異臭騒ぎ、後に判明したサリンガスを使用した無差別テロ、この未曾有の事件へ立ち向かった、聖路加国際病院の救急医療チームの話です。
いったい何が起きたのか、情報が錯綜する中で現場で早急に的確な判断を下した、チームリーダーの石松さんも、凄いなぁって思いましたが、それ以上に感動したのは、院長の日野原さんの先見の明と決断力でした。

日野原さんは、第二次世界大戦を医師として経験し、東京大空襲では病院の持つ構造的欠陥に早くから気づき、自身が設計した聖路加国際病院では、採算よりも万一の野戦病院化に備えて、病床数を削って各種設備を整えたそうです。その代表が、広大なホールや広大な礼拝堂、館内の至る所に設置された酸素吸入用の口なんだそうです。建設当初は、無駄なスペースが多く、もっと病床数を増やさないと採算的に行き詰ると、揶揄されたそうですが、日野原さんは頑として方針を改めず、スペースを空けておいたそうです。
そこで起きたサリン事件。この無差別テロでは数千人という規模の人が、被害者となりました。若い医師からの報告で、日野原さんはいち早く決断し、当日診療を全て中止、全被害者の受け入れを表明、全医師全職員に対して非常呼集をかけて受け入れ準備をした事で、この事件で最大の受け入れ病院となりました。元々野戦病院を意識した作りであった聖路加国際病院だからこそ、莫大な数に上る患者の受け入れを可能にしたのでした。
また、この院長に呼応するように、当日非番であった看護婦(現看護士)も病院へ駆けつけて、患者の救護に当たったそうです。院長の普段からの人格やビジョンが、末端のスタップまで行き届いていることを証明するエピソードだと思います。

この先、絶対に大きな事件や事故が起り、戦争のような状態で患者が溢れかえっても、出来るだけ多くの患者を収容し、一人でも多くの人に医療を提供したいってビジョンは、素晴らしいと思います。普通は、そんな事をしてもいつ役に立つかわからないし、採算が悪くなるからという理由で斬り捨てられます。それをあえて行うだけの度量の深さと、千人を超える人間を束ねる器量は、只者じゃないなぁって思いました。こういう人を人格者って言うのかなって思いました。

ストーリーでは、救急医療チームの「一人でも多くの人命を救いたい」って気持ちがヒシヒシと伝わってきました。正確な情報が無い状態で、「瞳孔の収縮という共通症状」と「松本サリン事件に状況が似てる」という推測でしかない状態で、有効と思われる有機リン系毒物の解毒剤。しかし、この解毒剤は、それ自体も劇薬であり、下手な投与は人命を危うくする。本来なら確証がなければ使えない薬、それを使用に踏み切った、救急医療チームリーダーの石松さんは、後日談として「何があったら、私が責任を取らなくてはならない。全ては私に責任がある。」と考え、クビになること覚悟で行ったそうです。

この考え方は、非常に重要でリーダーを任された人間は、ここまで考えて行動を取らなければならないんだって、改めて再認識をしました。自分の保身を第一に考えていたら、こんな判断は出来なかったと思います。石松さんが、もし保身を考えていたなら、もっと死人が増えてしまったであろうと思うと、正直頭が下がります。

昨年ヒットした白い巨塔は、大学病院の黒い裏側を描いた作品で、医療機関の持つ矛盾や汚い部分を暴きました。コレを見て、実体験と共に嫌だなぁって思っていましたが、今回のプロジェクトXを見て、思い出しました。母親が瀕死の状態で担ぎこまれた時の、先生方が真剣に命を助けたいっていう純粋な気持ちで動いてくれた事を。人ってまだまだ捨てたもんじゃないなぁって思いました。

最後に院長の日野原さんが言った言葉、「人は本当に大変な体験をしないと、本当に大事な事が判らない。今回はそういう意味で、若い者のイイ勉強になったと思う。」この言葉が、すごく重く自分にのしかかって来たように思いました。今までの苦労より、もっと大変な苦労は世の中に沢山ある。そういった体験から、逃げるのではなく進んで入っていかなければ、本当の成長はしないんだなぁって思いました。
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by naka50ne | 2005-02-09 12:01 | 趣味

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